「日本酒の味は、酒米でどう変わる?」
そんな疑問を解き明かすべく、日本ソムリエ協会が主催する例会セミナーに参加しました。
例会セミナーとは年4テーマ、ソムリエ協会が主催するワイン等酒類に関する講習会です。全国で開催され時間さえ合えばどなたでも参加可能です(一般の場合6,000、協会員は無料)
今回のテーマは「酒米四大品種」。日本酒に欠かせない「山田錦」「五百万石」「美山錦」「雄町」の違いを、実際に飲み比べながら探りました。それぞれの個性と味わいの違いをレポートします!
申し込み~セミナー前半
申し込み~会場入り
申し込みはソムリエ協会のサイト
にアクセスしイベントカレンダーを見て自身の日程に合うものを探します。
会場に入る際、イベント受付用のQRコードを準備しておく(スクリーンショットとか)と3秒くらいで終わるのでらくちんです!
セミナー前半
セミナー前半は
- ユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」について
- 日本酒の生産量と今後
- 東西における酒米の違いについて
について講師の方が解説していました。

最後の部分は後半の内容に影響するので簡単に解説すると
東の酒米は早稲で感温性、栽培期間が短いのでスッキリとした味わい
西の酒米は晩稲で感光性、栽培期間が長いので豊潤な味わい
これらを踏まえて後半の試飲についてみてみましょう。
セミナー後半
セミナー後半は日本酒6種の試飲です。講師の方の解説と共にテイスティングし、コメントを書き込むという時間でした。
テーマが酒米四大品種だったので今回はジャンル別に
- 五百万石のアルコール添加あり
- 五百万石のアルコール添加なし
- 美山錦
- 雄町
- 山田錦のアルコール添加なし
- 山田錦のアルコール添加なし
をそれぞれ比較しながら品種特性の理解に迫るという内容です。

五百万石(アルコール添加あり)
五百万石(アル添あり)はこちらの「大七 からくち生酛 本醸造」を試飲しました。

第一印象は華やかというよりニュートラル、香りは最初にバナナやメロンといったトロピカルなフルーツ、そして炊いた米のニュアンスがとても主張します。よく嗅ぐと紙粘土で遊んだ後の手の香りや松などの樹の香りもします。
味わいはとてもドライでコンパクト、酸や旨味が主張するというよりかは全体的にまとまった印象。アフターにアルコールの刺激感がピリッと残り余韻はすぐ鼻を抜けていくように感じます。講師の方は横ではなく縦と表現していました、とてもこの味を象徴した表現だと思います!

すっきりとした東の酒米”五百万石”の特徴、アルコール添加由来の余韻の軽さの両方がよく味わえる1杯でした!!
五百万石(アルコール添加なし)
五百万石(アル添なし)はこちらの「久保田 碧寿」を試飲しました。

第一印象は華やか、香りはリンゴや白桃などのストーンフルーツがど真ん中にいるイメージ。ほかにはサワークリームの香りもします。
味わいはとても甘くて上品な印象を受けます。一方で五百万石由来の垂直的なスラっとしたイメージも強く感じます。
講師の方は上品さと縦のイメージから炭水化物のなかでも冷えているソバにペアリングするのがいいとおっしゃっていました。

同じ五百万石でもアルコール添加の有無でこんなに味が変化するんですね!
ワインで言うとニュートラル品種とアロマティック品種の違い的なものを感じました!!
美山錦
美山錦はこちらの「谷川岳 純米大吟醸」を試飲しました。
第一印象はおだやか、香りは青リンゴや洋ナシといったフルーツ、スイカズラの白いお花、ほかには甘いクリームの香りもします。
味わいは前2つより旨味と酸味を感じます。なのでスラっとした印象は受けるけどまえのものほどではないっていう感じです。
講師の方は旨味とバランス感から甲殻類のなかでもシュリンプトーストにペアリングするのがいいとおっしゃっていました。

美山錦は早稲と晩稲の間に位置するのでちょうど中間的な味わいです。ですが今回のはどちらかというと早稲によっているかなって感じました!
雄町
雄町はこちらの「龍勢 無垢の系譜」を試飲しました。

第一印象はおだやか、香りはフルーツよりもコーヒーやアーモンド、マッシュルームやヒノキといったワインでいう熟成香をとても感じます。
味わいは旨味と酸味を強く感じ、口中でべたっと残るイメージです。これまでが垂直な味わいに対し雄町は平行って感じでした。
講師の方は旨味の強さとスモーキーさから焼き魚のなかでもサバのスモークにペアリングするのがいいとおっしゃっていました。

美山錦は早稲と晩稲の間に位置するのでちょうど中間的な味わいです。ですが今回のはどちらかというと早稲によっているかなって感じました!
山田錦(アルコール添加あり)
山田錦(アル添あり)はこちらの「櫻正宗 純米大吟醸 協会1号酵母」を試飲しました。
第一印象はおだやか、香りはメロンっぽいフルーツ系とヒノキのような樹の香り。
味わいは甘味がとても主張しながらもキレがありドライでピタッと余韻が停止するのが印象的です。
講師の方はキノコのアヒージョにペアリングするのがいいとおっしゃっていました。

晩稲である山田錦の味わいの広がりを強く感じる日本酒です!!
山田錦(アルコール添加なし)
山田錦(アル添なし)はこちらの「五凛 純米大吟醸」を試飲しました。
第一印象はとても華やか、香りはリンゴや洋ナシに加えて白桃といったストーンフルーツ、サワークリームも感じます。
味わいは甘味を強く感じる一方で酸とのバランスがよくふくよか、余韻がふんわりしていて心地よい。
講師の方はバランス感の良さからチーズ全般にペアリングするのがいいとおっしゃっていました。

晩稲ゆらいの味わいの広がりと華やかさがすごい印象的!今回の中で一番好みです!!
例会セミナー終了後実は…
これで会は終了なのですが実は最後に獺祭を飲ませていただきました!こんかい頂いた獺祭は
- 獺祭 純米大吟醸45 にごりスパークリング
- 獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
でした。個人的に山田錦が好みなのでめちゃくちゃおいしかったです!!

まとめ
今回は日本酒の4大品種セミナーのレポートをしました。
要点をまとめると
📌例会セミナーは協会員ならタダ!気軽に参加できる!
📌東西で日本酒はざっくりスッキリか豊潤
📌アルコール添加の有無は余韻の長さに影響
となります。この記事をよんで例会セミナーに参加してみたい、日本酒の品種ごとの味わいがよく理解できたと思っていただけたら幸いです。
以上、最後までお読みいただきありがとうございます。
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